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脳科学者的読書のすすめ【頭は「本の読み方」で磨かれる】茂木健一郎

今日であっという間に7月が終わりますね。こんなご時世からか、時間が経つのがあっという間に感じられてしまいます。

こんばんは。猫雪晴です。

本日紹介するのは、脳科学茂木健一郎さんの『頭は「本の読み方」で磨かれる』です。

 

頭は「本の読み方」で磨かれる [ 茂木健一郎 ]

価格:1,430円
(2021/7/31 23:46時点)
感想(2件)

あらすじ

脳科学者・茂木健一郎の目から見た、読書することの有効性を紹介した一冊。単に読書を勧めるのではなく、読書をすることで得られる脳の変化や考え方の変化についても書かれている。

 

文章の随所にオススメの本が紹介されているのも特徴。その数、実に70冊。巻末に紹介本がリストとしてまとめられており、ブックガイドとしても非常に優秀だ。

 

感想など

 

茂木健一郎さんと言えば、脳科学者として知られています。偏見かも知れませんが、科学者は実験やデータに接することが多いため、論文以外の読書からは遠い方なのかと思っていました。ところがとんでもない、茂木さんは一流の読書家であったのです。

 

読書指南本は世の中にたくさん出回っていますが、脳科学者ならではの視点から、オススメ本や読書方法について語っているのは新鮮です。感覚的ではなく、科学的根拠を元にして読書の有用性を知ることが出来ます。

 

中でも印象に残った内容は、本を読むことによる効能です。「読んだ本の数だけ、高いところから世界が見える」…これは何となくイメージ出来る人も多いと思います。さらに次の文章で「その足場は、読むジャンルが多ければ多いほど、より安定します」と書いてあります。

 

この部分を読んでハッとさせられました。もちろんミステリーだけでも1000冊読めば、自分の視点はかなり高くなると思います。しかし、それだけでは足場が安定しません。小説だけでなく、エッセイや政治、宗教、自然科学、哲学、漫画などたくさんのジャンルをまんべんなく読むことで、自分の足場は広く安定するのです。

私もこれから実践したいなと思いました。

 

また茂木さんは読書をオススメする理由として、以下の内容もあげています。

どんなに時代が流れても、われわれ人間は絶対に『言葉を使い続ける』からなのです」(p31)言葉の中身や形式は時代と共に変化していますが、「言葉」そのものは無くならないです。そしてその言葉を一番深く使う媒体こそ本であると茂木さんは言っています。

何故ならば、本は出版されるまでに著者だけでなく編集者や校正者など多くの人たちの手が加えられて完成するからです。その分SNSやインターネット上の言葉に比べて洗練度合いが違います。

 

本を読んで様々な言葉や豊かな表現を身につける。それを繰り返すことで、豊かな人間性が身についていくと思います。もう、読書しない理由が見つかりませんよね。

 

印象に残った言葉など

 

科学にかぎらず、知性というのは「どれだけたくさんの人の立場で考えられるか」ということだとぼくは思います。

脳の中には、「デフォルト・モード・ネットワーク(Default Mode Network)」と言って、何かに集中して仕事をしているときよりも、むしろ何もしていないとき、休んでいるとき、リラックスしているときのほうが活動する部位があります。(中略)そのときこそ脳は大切な仕事をしています。

文字を自分の脳の中から絞り出すという行為は、負荷がかかってヘトヘトになるし、効率も悪いかもしれないけれど、だからこそやり遂げたときに脳は本当に喜び、成長するのです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

また素敵な本と出逢えますように。